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BADEND -再生産

2011–12–22 (Thu) 22:17
「ハローワールド」という企画で、自分がモデルになった「キルビィ」ちゃんの話を書かせていただきました!

・・・またです、はい。


主催ブログ



※今回の話はエンディングになっております。
それも本編でとあるフラグを踏まなかった場合に発生する「BADEND」です。
昔の話」の補足にもなっており、これを読まないと理解できないようになっております。
また、二次創作色がさらに増しております。おまけに本家ハロワキャラがすず様を除き全く出てきません。
1つの物語の終わり方、とでも見てやってください。

読みたい方、続きへどうぞ。






絶望少女BADEND ~リプロダクション~

----

暗かった。
あたしは今、どこを歩いているんだろう。
すず様は、もういない。仲間たちも、おにいちゃんもいなくなった。
みんな、どこかへ行ってしまった。
あたしだけが今、なにもない所を、なにもわからない所を、ひとりぼっちで、歩いている。

----

【絶望少女(クワイエット・アビス)】。
それがあたしに与えられた"能力"だった。
もしくは、あたしが「持っていた」"能力"だろうか。
その"能力"であたしは、サイコキネシスやテレポート、果ては洗脳といった「超能力」が使用できる。
あの時は夢にまで見た、あたしだけの"能力"だった。

あたしは、逃げ回っていた。
今までにいた世界を捨てて。
自らの"能力"を駆使しながら。
できるだけ遠くへ。

----

そんな時だった。
「お?」
誰かの声が聞こえた。
それはただの感嘆符だったが、ずっと昔に聞いた、懐かしい声だった。
あたしがふと振り向いた。青い髪、赤い服。手には1本の銀色に光る剣。
そこにいたのは。

"お嫁さん"だった。

「いたー!やっとみつけたよ!」
おーい、とばかりに手を振っている。
あたしは幻じゃないかと目をこすった。"お嫁さん"はこちらに向かって走っている。幻ではない。
周りに人の姿は見えない。いつもの"ご主人様"と一緒ではない。
内心ほっとしたが。

"お嫁さん"があたしの手の届くぐらいの位置まで来た。
聞きたいことは色々あった。
どうしていきなりハローワークに送り込んだのか。
その後何の連絡もよこさなかったのは何故か。
今でもその若い姿を保っているのはどうしてなのか。
だがその前に、あたしは聞き捨てならない発言を聞かされることになる。

「探したんだからね、キルビィ!」

----

懐かしい家だった。
昔と全く変わっていない。まるで時が止まっていたかのようだ。
「おかえりなさいませ」
そこに、昔そこにはいなかった、しかし昔に会ったことのある人物がいた。
銀色の髪、青いメイド服。太ももの部分には一本のナイフが仕込んである。
昔と変わらぬ姿の、メイドさんだった。

----

「じゃあ、全部説明してあげるね」
"お嫁さん"が言った。
ここは部屋のリビングだ。メイドさんが美味しい紅茶をいれてくれている。
初めてここに来た時とは違い、明るい日の光が差している。
物を整理したのか、昔より広く感じた。
そんなリビングで、昔は砂糖をいれたくっていた紅茶を、今はそのまま飲んでいる。
メイドさんは、そんなあたしを見てくれたのか、はたまたあたしがメイドさんを見たからなのか、微笑んでくれた。
「まず、どうしてあたしがキルビィの名前を知ってるかっていうとね」
いきなり話が本題に入ったようだ。"ご主人様"はいつもまどろっこしい入り方しかしない。
"お嫁さん"はさっぱりした性格で、"ご主人様"とは正反対だ。
あたしは気をひきしめた。
「"ご主人様"だからだよ」

あたしは首をかしげた。
"ご主人様"に教えてもらったから、なら分かる。
「あたしの"旦那様"つまりあなたの"ご主人様"の名前はね、"キルビィ"っていうの。
そしてその"能力"は―――【絶望少女(クワイエット・アビス)】」
あたしは固まった。
"お嫁さん"の言っている意味が分からない。
否、理解したくなかった。

----

「お嬢様、あれからロクな目に会われなかったでしょう?」
メイドさんが言ってきた。
あたしへの呼び方が『お嬢様』になっている。
「あれは全て、この"能力"のせいなのです」
たしかにそれまで、散々な目に会ってきた。
それでも今までなんとか生きてきた。この"能力"を使って。
その"能力"自体が原因だとは、思いもしなかった。
「閉所・暗所・寒冷において、その者の『希望』を奪い去り―――
精神を引き換えに肉体を強化する。それが【絶望少女(クワイエット・アビス)】の能力の1つなのです」
そこに"お嫁さん"が帰ってきた。手招きをしている。
「ふぅ、やっと開いたよ。しばらく使ってなかったからねぇ・・・さ、こっちこっち」
そこにあったのは、あたしが見たことのない部屋だった。
そこは狭く、暗く、寒冷しており、まさにあたしの"能力"が最大限に発揮できる場所だった。
"ご主人様"は、ここで"能力"を使用していたのだ。
「そしてもう1つ―――」
メイドさんが口を開いた。
「【絶望少女(クワイエット・アビス)】は、その体内のステラ粒子を他の【絶望少女(クワイエット・アビス)】となりえる存在に転移させることにより、自信の能力を完全に消去することが可能なのです」
他の【絶望少女(クワイエット・アビス)】。
それはつまり、あたしのことだ。
サイコキネシスとテレポート。2つの"能力"が最高の力を発揮できるこの空間なら、近くにいる人や物を転送することができる。
あたしはハローワークに転送される瞬間、【絶望少女(クワイエット・アビス)】を受け継いだのだ。
「そうして、【絶望少女(クワイエット・アビス)】から逃れた者は、希望を取り戻し、明るい未来を享受することができる―――
これが、私たちの知る【絶望少女(クワイエット・アビス)】の生態の全てであります」

----

絶好調だった。
あたしは、まずメイドさんを葬り去ろうとした。
この"能力"で動きを封じ、あとは力任せに殴りつける。簡単なはずだった。
だが、あたしが"能力"を発動しようとした瞬間、
「取り乱しなさらずに、お嬢様」
そこはリビングだった。
暖かく、広々としている。サイコキネシスは愚か、身体強化すらまともに発揮できなかった。
「あ、あれ?あたし・・・」
気づかないうちにリビングだった。
"能力"が弱まったせいか、気持ちも落ち着いていた。

「つまり、あたしはその新しい【絶望少女(クワイエット・アビス)】を探さないといけないってこと?」
メイドさんに問いかけた。
"お嫁さん"の姿は見えない。"ご主人様"のところへ帰ってしまったらしい。
メイドさん曰く自分の方が物知りなようで、問題ないと言っている。
さっきからあたしの様々な質問に答えてくれている。
「さようでございます。そのためお嬢様には、【絶望少女(クワイエット・アビス)】の力を十分活用していただけねばなりません」

----

時間は少し遡る。
「まず、"ご主人様"つまるところ先代【絶望少女(クワイエット・アビス)】は、お嬢様と邂逅される以前に、既に次の【絶望少女(クワイエット・アビス)】の候補と接触しておりました」
話はそこから始まった。
メイドさんにとっても"ご主人様"は"ご主人様"のようだ。
「"ご主人様"は幼くして両親を亡くし、途方に暮れていたおぼっちゃま・・・お嬢様は、いつも"お兄さん"とお呼びしておられましたね。偶然出くわし、こうおっしゃられました。『私があなたの父親になってあげましょう』と」
"お兄さん"は、"ご主人様"の知り合いだった。
どころか、血は繋がっていないが『父親』だったのだ。"お兄さん"がいつも話していた父とは、"ご主人様"のことだったのだ。
というか"ご主人様"は大企業の社長だったのか。
「ところが、おぼっちゃまは数日後、身体を壊されてしまいました。訓練が厳しかったのでしょう。"ご主人様"はひどく反省なさいました」
訓練をしたのはおそらく"お嫁さん"だ。
そういえば"お嫁さん"はよく「大丈夫?」とあたしの体調を聞いてきた。昔は自身と同じ特訓メニューをやらせていたのだろう。
"お兄さん"がいなければ、あたしが身体を壊すことになっていたかもしれない。
「その後、【絶望少女(クワイエット・アビス)】となるには身体の負担が心配ということで、しばらくの間おぼっちゃまの日常生活の世話を私が承ることになりました。"ご主人様"はよく暇をもてあましてテレポートを乱用していたようですね」
そんな時、あたしを見つけたのだ。
つまり"ご主人様"はあたしを無視しても特に困ることはなく、あたしを【絶望少女(クワイエット・アビス)】とする必要もなかったのだ。
ただ、
「『素晴らしい才能の子を見つけた』、そう"ご主人様"はおぼっちゃまにおっしゃいました。その後、【絶望少女(クワイエット・アビス)】について全てをおぼっちゃまにご説明なさいました。
おぼっちゃまは自身が利用されようとしていたことに驚かれましたが、『ボクが普通の生活ができるようになった上に、その代償をより適正のある子が肩代わりしてくれるなら、むしろその子に申し訳がない。感謝の言葉もないよ』とおっしゃられました。
そして、『その子が最大限の力を発揮できるよう協力したい』と」
"お兄さん"は、あたしの"能力"の最終調整を買って出てくれたようだ。
寒地での能力発揮、身体強化の成功率、最後の"絶望"を与えることでの"能力"の完成。
わざわざアルバイトを始め、自身の屋敷を焼いてまで。
全て、あたしのためにやってくれたことだった。
「そして、おぼっちゃまはお亡くなりになられました」

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「それも、あたしの"能力"を強化するため・・・?」
「おぼっちゃまの死をただただ忌み嘆くか、自らの糧とするかは、お嬢様次第でございます」

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そして、あたしの旅は始まった。
次の適合者を探して。
優秀なメイドさんに身体(カラダ)の支援を受けながら。
精神(ココロ)を壊しながら。
ずっと、ずっと。

数年後、一人の少女に出会う。

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「ねぇ、最後に1つ教えてよ」
「なんでございましょう、お嬢様」
「"ご主人様"は、結局どうなっちゃったの?」

----

「絶望から解き放たれた者は、次元が1つ昇華するのでございます。
きっと今も、モニターの前に・・・」


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